2021/10/04
特定健診のことをお話しするときには、一部意味合いが重なる言葉が出てくるため少し複雑なので、まず用語の解説をします。
○生活習慣病
食事、運動、休養、喫煙、飲酒等の生活習慣が、その発症・進行に関与する疾患群。(例:高血圧、脂質異常症、糖尿病、慢性腎臓病など。またこれらが原因で発症する脳血管疾患や心臓病も含まれます。がんも生活習慣と関係しているものがあり、生活習慣病と言えます)
○メタボリック症候群
生活習慣が原因で内臓脂肪型肥満から高血糖、脂質代謝異常、高血圧となり動脈硬化を起こしやすい状態。定義は特定健診のページを参照していただければと思いますが、内臓脂肪型肥満がベースであるというところがポイントです。
○動脈硬化
心臓から全身に血液を送る際の導管である動脈の内壁が厚くなったり硬くなったりすること。高血圧、脂質異常症、糖尿病などの生活習慣病・メタボリック症候群などが動脈硬化を引き起こし、その結果脳血管疾患や心臓病を発症するという流れです。
ここから、特定健診の話に進みます。
特定健診とは、
日本人の死亡原因の約6割を占める生活習慣病(特に脳血管疾患や心臓病など)の予防のために、その原因の一つとなるメタボリックシンドロームに着目して行われる健診です。
検査項目としては、メタボの診断基準に記載されるもの以外にも肥満・動脈硬化に関連の深いものが含まれており
○腹囲、BMI、血圧
○採血(肝機能、脂質、血糖。場合によって腎機能、貧血の項目)、尿検査
○必要に応じて心電図、眼底検査
となります。
特定健診で引っかかった方は、生活習慣を改善して重篤な病気への発展を防ぐために努力が必要です。メタボの診断を受けた方の中で希望者は特定保健指導というサポートも受けることができます。
当院では 10月1日より、特定健診および特定保健指導を受けていただくことが可能となりました。
ひとつ注意点がありますが、今まで述べてきたように特定健診=メタボ・生活習慣病(動脈硬化に関連するもの)健診であり、検査項目が限られているということです。
毎年特定健診だけ受ければいいのではなく、その他の病気(特にがん)のことも意識し、がん検診などその他の検査を組み合わせて行うことを推奨します。
健診のご希望やご不明点などありましたら、いつでもご相談ください。