※下記に記載している「定期接種」とは予防接種法に基づいて行われるもので、
A疾病に関しては全額公費で賄われます。
B疾病は一部自己負担金が発生します。
インフルエンザウイルスに感染すると一般的な「かぜ」に比べ全身の症状が強く、特に高齢者、基礎疾患のある方、小児では重症化や合併症の併発のリスクがあります。また周囲への感染力が強いことが特徴です。
インフルエンザワクチンは、流行の中心となることが予想される4つの株に対応しています。ワクチン接種はインフルエンザ発症率を低下させる効果、発症後の重症化予防の効果があります。
以下の方々は定期接種の対象です。
肺炎球菌は肺炎を中心に、髄膜炎、敗血症など重症な感染症を引き起こす可能性のある菌です。
成人肺炎の原因として最も多く、特に高齢者での重症化が問題となっています。
肺炎球菌には90種類以上の型がありますが、そのうちの頻度の高い23種類に対応したニューモバックス(PPSV23)、13種類に対応したプレベナー(PCV13)があります。
①PPSV23について
すべての65歳以上にPPSV23接種を推奨65歳から5歳刻みで定期接種の対象です。
今まで助成を受けたことのない方は、該当する年齢になる年度に助成金補助があります。
(大阪市では4300円で接種可能。ハガキの持参は不要)
②PCV13について
健常な65歳以上ではPCV13の積極的推奨はなく、基礎疾患のある方には考慮されます。
・ただし、髄液漏、人工内耳、免疫不全の方には接種が必要です。
・高齢者施設の入所者も、本人と相談してPCV13を接種することが推奨されます。
子供の頃に水痘・帯状疱疹ウイルス(水ぼうそう)にかかると、治った後もウイルスが身体に潜伏するようになります。
その後免疫力が低下することによってウイルスが活動を再開し、痛みや発疹が現れます。人によっては症状が強く、後遺症が残ることもあります。
帯状疱疹の予防には従来からあった水痘・帯状疱疹ワクチン(生ワクチン)と、2020年より認可された不活化ワクチン(シングリックス)があります。
50歳以上の方に推奨されています。
シングリックスの方でより帯状疱疹発症予防、帯状疱疹後神経痛の予防効果が優れているため、海外ではシングリックスが推奨されています。
ただしシングリックスは筋肉注射、高価かつ2回接種であるという難点もあります。
免疫抑制状態の方は、生ワクチンは接種できません。
過去に帯状疱疹になった方でも、接種が可能です。
風疹(3日はしか)は熱、発疹、リンパ節の腫れなどを起こす感染症です>。
特に妊娠初期の方が罹患した場合、「先天性風疹症候群」と言って胎児に合併症を起こす可能性があることが問題です。
麻疹(はしか)は感染力が強く、熱、鼻水、発疹などを起こし重症化する場合があります。
現在は風疹・麻疹単独ワクチンの流通がなく、どちらの予防目的でも混合ワクチンの接種となります。
MRワクチンは通常1回接種でも95%以上の予防効果を持ちますが、2回打つことでより効果が確実となります。
過去に罹患歴がない、または2回MRワクチンを接種していないすべての方、医療従事者などで抗体価が低い場合には接種が必要です。
特に妊娠の可能性のある女性とその配偶者や家族には強く推奨されます。
流行性耳下腺炎とも言われ、唾液腺の腫れが主な症状です。合併症として髄膜炎が最も多く、そのほか小児などでの難聴が問題になっています。
これらの合併症予防のためワクチン接種は重要と考えられ、2回の接種が推奨されています。
3歳より前に接種することが勧められます。
またすべての医療従事者にも接種が推奨されます。
A型肝炎ウイルスは汚染された食品や水を経口的に摂取して感染し、発熱、倦怠感、嘔吐、黄疸などの症状を呈する急性肝炎を発症します。
性感染症としての側面にも注意が必要です。
ワクチンは2-4週の間隔で2回の接種が必要で、さらに半年後に3回目を接種すると免疫が強化されます。
衛生状態の悪い発展途上国へ渡航する方は接種が推奨されます。
B型肝炎ウイルスとは、人の体液や血液を介して感染します。
感染後急性の症状が出る場合と、無症状でも肝臓にウイルスが潜伏し、のちに肝炎や肝臓がんの進展する可能性があります。
2016年から小児の定期接種が開始されています。通常計3回の接種が必要となります。
糖尿病、透析患者、肝臓病、B型肝炎患者の家族、医療従事者の方などには接種が推奨されます。
HPV(ヒトパピローマウイルス)は主に性交渉から感染するウイルスで、性交渉経験のある女性の80%以上がかかるといわれています。
HPV感染で最も重要なのは、感染した方の一部で子宮頸がんを発症するということです。
HPVワクチンには、小学校6年生から高校1年生相当の女子が公費負担の対象となるガーダシル(4価ワクチン)と、ガーダシルにさらに5つのHPV型が加わったシルガード9(9価ワクチン)があります。
ガーダシルが子宮頸がんの予防効果が60-70%であるのに対してシルガード9は90%以上の予防効果をもつことが期待できます。
ワクチンの効果を高めるために、初めての性交渉を経験する前に接種を始めることが望ましいとされています。
前述のようにガーダシルは定期接種として接種できる年代があります。(この年齢以外では自費ですが特に年齢制限はありません)
破傷風菌は土壌に広く生息しています。
屋外でのけがなどの際に、傷口から破傷風菌が感染することがあります。
破傷風菌は強力な神経毒素を産生し、けいれん、脳炎など命に関わる症状を引き起こします。
破傷風トキソイドを適切に接種すると100%感染を予防できます。
小児の定期接種であるDPT-IPV、DTワクチンに含まれています。
昭和43年よりDPTワクチン接種が開始されており、それ以前に生まれた方は免疫がないため、推奨されます。(3-8週間隔で2回、その後12-18か月で追加接種)
基本の定期接種が終わっている方は、約10年ごとの追加接種で免疫力が維持できます。
また10年ごとの追加接種を行っていなかった場合で、土壌で受傷した直後にワクチンを打っても、その後の発症予防効果が得られます。
上記に表記していないものも、小児・成人の定期接種はすべて対応可能です。
自費のその他のワクチンも対応可能な場合がありますのでお電話にてお問い合わせください。
ワクチンを希望される方は必ずご予約をお願いいたします。
予約後日程変更は可能ですが、原則キャンセルは不可となります。
ワクチン接種証明書の発行を希望される場合には、受付にてお申し出ください。
(日本語証明書:2,200円、英文証明書:3,300円)
※持参の書類へのロットナンバー貼付などは無料です。
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